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展示紹介
現代人のオアシス・パーティー
さまざまな経験を積んだ旅人が最後に求める静寂の場所とは。 3回の展覧会を通じて、都会の人たちの心身のニーズに応える試みを実施しています。今回は最終回『Have Funつかの間の静寂の場所』を迎え、自然空間の虚構と事実、光と影、色合いから旅人を導き、心のオアシスの入り口を発見します。また、自らの感性を拡大し、人生のディテールをジグソーパズルに見立て、内なる世界の静寂の場所をつなぎ合わせ、自己と自然とのバランスを見出します。
作品紹介
クリエイター / 黄美恵
2F作品のテーマ /
アーティスト・黄美恵はファイバーアートと版画を得意とする。「木がある」シリーズは、版画作品を扱ったもの。高彩度の色合いとメリハリのあるスタイルで強い視覚効果を持つイメージを作り出す。彼女の作品では、人間と木という2つの要素を用いて、人々が存在する環境や、さまざまな状況における感情を描いている。切り絵の技法を用い、異なる色合いのカラーフィルムを作品にコラージュすることで、主人公との興味深いコントラストを生み出している。作品に登場する人物やスタイルは変化に富み、力強く、作品を通して鑑賞者を彼女の気まぐれな世界に引き込む。
アーティスト紹介 /
高彩度の色合いとソフトでしなやかなメディウムで生み出すファイバーアートと版画は、黄美恵が得意とする創作手法。彼女の作品からは常に心地さ、楽しさ、バイタリティが感じられ、さまざまなバリエーションで常に広がり、変化している。
クリエイター / 紀芃如
3F作品のテーマ /
アーティスト・紀芃如の作品「小さな暮らし」は、アメリカンショートヘアーの猫の柄をイメージした15枚のパネルからなる。それぞれ異なる色あいとタッチで表現した一枚一枚の絵は、日々の生活から得たさまざまな感情を集め、記録した日記のようである。意図的に散りばめられたイメージはジグソーパズルのようで、鑑賞者に想像し、結びつけてもらいたい。幾何学的な線とタッチが、偶然的で自由自在で、束縛からの解放といった自由なムードを生み出している。彼は創作を通して、内なる魂を目覚めさせ、感情や安定した信念を預けることのできる帰属意識を与えようとしている。
アーティスト紹介 /
私は教師でありながら、私生活ではアニマルコミュニケーターであり、アーティストであり、熏習する者でもある。人は自分のアイデンティティや仕事によって定義されるべきではなく、創作についても同じことが言えると思う。だから私にとってアートは、生活に溶け込んでいるだけでなく、生活こそアートが日々織りなすものなのである。
クリエイター / 陳耘
4F作品のテーマ /
30点の小さな作品からなる 「日々」は、アーティスト・陳耘が30日間にわたりローズマリーを観察した記録である。それぞれの作品は、一緒に飾ることもできるし、別のコーナーに単独で飾ることもできる。彼女は毎日、絵によってローズマリーを記録し、絵の中の花の器、背景、構図はその日の気分によって描いたものである。植物をテーマにした作品は、意図的にそのモノの姿や表情を捉えるのが一般的。しかしアーティストは、さまざまな角度からじっくりと植物の細部を観察し、葉がだんだん成長する様子が感じ取れるほどである。一つ一つ彫る作業を繰り返す創作過程で、心の癒しを感じ、版画がインクをまとって紙に刷られた瞬間、あらゆる感情が立体化され、彼女は魅了されるのである。
アーティスト紹介 /
陳耘、嘉義出身
4年間のブランクを経て、版画を再開。彫刻刀だけでなく、鉛筆、針、石、スチールブラシなどさまざまな道具を使う。穏やかなタッチと線は、彫刻刀の「完璧な」彫り以上に創作の感情を伝えることができるからだ。版画制作を繰り返し、紙と対話する。
3年間フルタイムで創作にあたった後、学生として再び海外に行く予定だ。30歳までは自由人として、夢を追いかけたい。
クリエイター / 陳怡如
5F作品のテーマ /
作品「眼の計画」は、アーティスト・陳怡如が斜視で昔に経験したことからインスピレーションを得たもので、2枚の円形のキャンバスと3枚の縦長のキャンバスで顔の眼と鼻を形作っている。「斜視」は彼女の視覚や対人関係に大きな影響を与えたため、彼女は作品を通して「普通の人のような瞳孔に対する昔の憧れ」を表現している。彼女は、フェルトペンとアクリル絵の具の「速乾性」の特徴を生かし、ランダムに描いたりイメージを重ね合わせたりして即興的に制作している。作品中の2つの眼は、正方形、円形、三角形、月、空飛ぶ円盤など、さまざまな形で構成されている。会期中、2枚の円形キャンバスの中央に円形のライトを設置し、作品中の最後の一対の眼を光によって完成させることで、円形キャンバスの細密なイメージを鑑賞できるだけでなく、光を通して視覚体験と光の関係を感じることができる。
アーティスト紹介 /
アーティスト・陳怡如は、国立高雄師範大学美術学科修士課程を卒業し、国内の美術展で多くの大賞や優秀賞を受賞。
クリエイター / 陳松志
6F作品のテーマ /
アーティスト・陳松志は、日常生活で見過ごされがちな素材を使い、モノと空間の関係を再認識させる詩的なインスタレーションへと変貌させることを得意としている。「無題」シリーズでは、つるつるした鏡の表面に白い紙を何度も糊付けしては破り、それが何層にも重なった紙の跡を残し、水墨のように白く儚い幻想空間を作り出している。作品に向かって歩いてみると、鏡の中に自分の姿が見え、紙と融合して一体感を生み出す。陳松志はモノに生命を与え、モノに最小限の変化を与えることで、究極の詩的空間を創り上げている。
アーティスト紹介 /
陳松志は、複合的メディア空間インスタレーションを得意とし、横浜市の黄金町エリアマネジメントセンター(日本)、ISCP(ニューヨーク)、国立現代美術館(韓国)、Cité Internationale des Arts(パリ)、Visiting Arts London(ロンドン)、The Townhouse Gallery(カイロ)などの国際的なアーティスト・イン・レジデンスに長年にわたり参加。これまでデザインからアートまで幅広い経験を持ち、アートプロジェクトのクロスメディア統合に尽力。長年にわたり、現場でのプロジェクト制作を続けるだけでなく、アーティストの出版プロジェクトも数多く実施している。現在は台湾の台中に在住・活動拠点を置く。
クリエイター / 鄭崇孝
7F作品のテーマ /
アーティスト・鄭崇孝の創作は、人間、機械、環境の関係をテーマにしている。古代文人画家による山水画を用い、文明の発展と環境との共生関係を探求している。彼の作品「方舟図」では、中国の宋の時代に描かれた夏珪の作品『渓山清遠図』を用い、現代版テクノロジー文明の風景を再現している。皴法や墨汁を用いず、また古代の人が登場するわけでもなく、デジタル化された山水の風景と「くちばし少年」が描かれている。女友達と花を観賞している者もいれば、方舟づくりにいそしむ者もいる。機械、再生可能エネルギー、飛行機は彼らの最高の相棒である。視覚的転換という興味深い視点で、彼はテクノロジー開発とエコロジーのバランスのさまざまな可能性を想像する。
芸術家紹介 /
新北市土城出身、年中無休のプロの画家
クリエイター / 廖震平
8F作品のテーマ /
アーティスト・廖震平の油絵「緑山」は、右カーブの大通りやエメラルドグリーンの平原、山の峰々や雲の波を描いている。山脈が二股に分かれ、左側は明るく、右側は暗い天候だが、山の稜線はくっきりと見える。風景に注目しながらも、近くや遠くから聞こえてくるさまざまな音や匂い、絶え間なく続く自分の呼吸、足の痛みや上半身に吹きつける風など、視覚以外の感覚も実際同時に起こっている。彼は作品を通して、目では捉えられないさまざまな物事を表現し、絵画を通して観察に集中する練習をし、日常生活の中で風景に出会うための観察方法や距離を練習している。その練習を通して、普段はなかなか実感できない、遠ざかっていく身体的な体験や記憶、そして無限の世界との距離が、少しずつ近づいていくようである。
アーティスト紹介 /
廖震平、1982年台湾新北市生まれ。2010年国立台北芸術大学の美術創作専攻で修士課程を卒業。以前は横浜に住み長年創作活動を行い、現在は台中に在住・活動拠点を置く。
クリエイター / 黄敬中
9F作品のテーマ /
アーティスト・黄敬中は、竹炭を主な制作媒材としており、彼の作品は家族史と密接に結びついている。ポーランドの詩人シンボルスカの詩にインスピレーションを得て、「小さな星の下で#1」を制作。流線形を重んじるイタリアの象嵌技法・モザイクを用い、竹炭の破片を並べ、蛇行して流れる川を作り上げている。セメントを用いて割れた竹炭の破片をくっつけて川の両岸に貼り、起伏のある高さの立体的な風景を作り出している。俯瞰的な視点から制作されたこの作品は、人間と自然環境の矛盾した関係を超越的な視点から考察することを可能にする。円形のスタイルは、俯瞰的に見た川の姿、あるいは土に根を張る植物の根の姿を想像させ、鑑賞者に多角的な視点を提供する。
芸術家紹介 /
黄敬中(HUANG, Jing Jhong)は、社会に出てからグラフィックデザイナー、陶磁器塗師、バスケットボールのイラストレーター、パブリックアートのプロジェクト会社責任者などを経て、2019年に台北芸術大学の美術学修士課程に復学し、自身の創作能力を再認識してアートの道を再スタートさせた。彼の作品のテーマは「生命が逆境に遭遇した後の存在のあり方の質的な変化」であり、結論としての死や死後の世界に焦点を当てるのではなく、生命が消え去る過程で試練や苦難に抗い、残された強さや痕跡を見つめるところから、創作は始まる。作品の媒材として木炭を多く用いるのは、物質的な外層を取り除き、内側にある経験した時間、質的な変化、浄化、再生、目に見えない炎を見るためである。
クリエイター / 杜瓦克‧都耀
9F作品のテーマ /
アミ族とクバラン族の血を引く原住民アーティスト・杜瓦克‧都耀は、原住民が漁に使う漁具の筌を芸術作品に変容させ、部族の伝統工芸を継承し発展させている。彼の作品 「風が吹く-Sankuの変容と流れ」では、クバラン族が漁に使う漁具であるSankuが竹と原生籐で作られている。杜瓦克は、Sankuの線と要素、竹編みの強さと柔らかさを、風のイメージに変換し、真っすぐそびえた象徴的なSankuが石畳の川の中に立てられ、まるで涼しい風を感じているかのようである。杜瓦克は、原住民の漁や狩猟の職人技のユニークな知恵を用いて変容させ、生命と自然、土地と環境の関係を再び結びつけている。
アーティスト紹介 /
2008年から、海や川の近くに住むクバラン族の漁業や狩猟の伝統からインスピレーションを得て、部族の竹・籐編み工芸に携わる。ウヨウチクと原生籐で作られた魚を捕るための筌・Sankuを幅広いライフスタイル製品やインスタレーションにデザインし作り上げることを得意とする。数年前、ファイバーアーティスト・陳淑燕や部族の工芸師と共に、花蓮県新社にPateRongan Artを設立。伝統的な部族工芸の継承と、新しい形の革新的な発展を願っている。
クリエイター / 伊祐噶照
10F作品のテーマ /
花蓮のMakuta'ay(漁港の集落)出身のアーティスト・伊祐噶照は、現代社会における先住民の状況を作品を通して伝えるとともに、環境問題についても考察している。彼の作品「真の海洋民族になる?」は、温かみのある木材をつなぎ合わせて何層にも重ね、徐々に外側に広がるように作られている。いくつかの四角い窓がその中に紛れ、沈んでいる。重なった木材を使って、地球温暖化後の海面上昇をイメージしたものである。彼は人類に代わって将来の環境を探ろうとしている。急激な気候変動に直面したとき、あらゆる生命、文化、歴史は海に沈んでしまう。伝統文化を求める世代は最終的に、そのすべてを目撃し、真の海洋民族になるのだろうか。
アーティスト紹介 /
花蓮の漁港の集落で育った彼は、創作において常に海を意識しており、彼のインスピレーションもまた海からきている。流木や石、さらには廃材となった金属線などを積み重ね、流動性に満ちた直線的な連続構造体とすることで、彼独自の創作ボキャブラリーとなっている。現在はIyo Kacawの責任者であり、20年近い創作活動のキャリアを持つ、台湾東海岸を代表する現代アート作家である。
クリエイター / 杜珮詩
11F作品のテーマ /
アーティスト・杜珮詩は、ストップモーション・アニメーションとコラージュを媒材に、グローバリゼーション、資本主義、国のポリティカル・マシーンが社会に与える影響を探求している。3つのチャンネルで構成されるビデオ・アニメーション「目に見える物語」は、巨大な叙事詩のようなシーンを作り出している。かつて何らかの理由で 「見えないの存在」とされた世界の既知の歴史上の人物60人のイメージを、一部は古典的な書物の知的イメージから、一部は安価なインターネット情報から抽出し、提示する。物語は、美しく晴れた朝のストレッチ運動から始まり、アンドレ・ボーシャン(André Bauchant)風の花の風景から、アンリ・ルソー(Henri Rousseau)の神秘的な森まで、高彩度の色合いで陽気に描かれる。杜珮詩はアニメーションを用いて、歴史から姿を消した人物を再解釈し、フィクションの人生と実際の歴史上の出来事との大きな違いを浮き彫りにしている。
アーティスト紹介 /
杜珮詩は1981年台湾苗栗県に生まれ、2007年にロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで芸術創作の修士号を取得し、現在は苗栗を拠点に活動している。